フレグランスのタイプ(香調)

フレグランスとして使われる香料は、たくさんの種類の香料を調合して作られます(調合香料のコンテンツを参照)。調合された香料は目的によっては複雑に出来上がったりしますが、香水名をもじって○○○タイプと呼び合うことが多いようです。しかしながら、香調の大きなくくりとなるものは、以下のように分けることができます。

フレグランスの香調の基本はシトラスとフローラルです。ここからさまざまにアレンジされ新しい香調が生み出されていきます。また、大ヒットを飛ばした香水により一つの香調が確立されることもあります。

シトラス(かんきつ類)とフローラル(花) イメージ

フローラル(花)とシトラス(かんきつ類)が香調の基本

シトラス
レモン、グレープフルーツ、ライム、オレンジ、ベルガモットなどの柑橘系フルーツの爽快な香りです。におい立ちをよくするために用いられ、オーデコロンの主要な香りです。代表的なコロンには18世紀に発売された「4711(フォーセブンイレブン)」があります。
シングル・フローラル
バラ、ジャスミン、スズラン、ライラックなどの薫り高い花をモチーフにしたタイプで、シンプルでかわいらしい感じの香りになります。「ディオリッシモ」はスズランの花の香りの傑作といわれています。
フローラル・ブーケ
花束のようにいくつかの花の香りを混ぜ合わせた豪華絢爛な香りで、日本の女性にもっとも親しまれているタイプです。「レール・デュ・タン」がその好例です。
フローラル・グリーン
木の葉や青リンゴなどが持っているグリーンな香りをブレンドしたタイプで、アウトドア感覚のナチュラルな香りです。代表作はフィジィ諸島のスコールが去った後に吹く南国の涼風をスケッチしたといわれる香水「フィジィ」です。
フローラル・アルデハイド
合成香料の力強い油脂性のにおいを持つアルデハイドを特徴としたモダンな感じのするフローラルの一分野です。代表作は1922年に発売され調香の世界に新天地を拓いたと評されているシャネルの「No.5」があります。
シプレー
さわやかなシトラス系の香りにバラやジャスミンなどの花の香りを配し、コケの香りのオークモスやベチバー、パチュリ、白檀(サンダルウッド)などのウッディ調をベースにして、アンバーグリスを中心としたアニマルノートで味つけした重厚で華やかな気品のあるタイプの香りです。「ミツコ」が古典的な代表作といわれています。
オリエンタル
甘くパウダリーな香りを持つバニリンやヘリオトロピン、クマリンに、東洋のイメージを与える樹脂類(ベンゾイン、乳香、没薬など)、樹液の印象があるバルサムを盛り込んで、アニマルノートでまとめた香りです。甘味が強く、持続性のあるエキゾチックな香りで、香水「オピウム」が有名です。

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