パヒューマー

調香師(パヒューマー) イメージ

フレグランスをつくる人を、調香師(パヒューマー)といいます。調香師は、音楽家が音を組み合わせて作曲するように、画家が絵の具を混ぜ合わせて絵を描くように、さまざまな香料原料を使って香りをつくりあげる、いわば「香りの芸術家」です。

パヒューマーに必要とされるのは、まずいろいろな香りを識別できる優れた嗅覚。これは訓練によって普通の人の何十倍もかぎ分けられるようになるといいます。また、香りを再現するためには記憶力も大切な要素です。そのため、パヒューマーになるための訓練は、何千種類もある香料原料の一つ一つを毎日かいで識別し、記憶することから始まります。これはとても忍耐力のいる作業です。

こうした訓練は、単品の香料をかぎ分けることから始まり、数種類の香料の組み合わせのバランスや、簡単な処方の組み立て、さらに何十種類もの原料を組み合わせて作られた香水やコロンをかいで、そこに含まれる香料をかぎ分けるなど、しだいに複雑で難しいものになっていきます。パヒューマーの訓練には決まったカリキュラムはありませんが、一般に修業期間は5~10年といわれています。

さらに、香りをつくる段階になると、すでにある香りのイメージを再現するだけでなく、オリジナリティに富んだ新しい香りをつくり出すことが必要となります。たとえば「若々しくて知性的な香り」「夜明けの海辺のような香り」という言葉のイメージを香りで表現すること。ここにまさに芸術家のような高い感性と創造力が生かされるのです。ですから、パヒューマーは日ごろから美しい絵や音楽、芸術的なものに親しみ、感性を磨くことを心がけています。

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