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FLOW香料(こうりょう)ができるまで
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01.どうして香料がひつようなんだろう。
01.ニオイを覚えているから
プ~ンとおいしいニオイがしたら、おなかがすいてなくても気(き)になるだろう。なぜかな? それは、その食べ物(もの)を食べた時(とき)に、おいしかったという感(かん)じといっしょに、そのニオイをしらずしらずにおぼえているからなんだ。それでからだがはんのうするんだ。
02.おいしそうにかんじさせたりするため
いま、スーパーマーケットにある食品(しょくひん)うりばにはどんなものがある。肉(にく)や野菜(やさい)いがいにもたくさんあるよね。加工(かこう)食品とよばれているものが袋(ふくろ)や箱(はこ)にはいっているだろう。そういったものに香料(こうりょう)ってかいてないかい。どうしてはいっているんだろう? 加工食品ができるまでには火(ひ)をつかったりして原料(げんりょう)のおいしい香(かお)りがとんだりちがったものになったりしてしまうことがよくあるんだ。それをなおしたり、おいしそうにかんじさせたりするために香料をつかっているんだ。
03.コーラやガムは香料(こうりょう)をつかっている
コーラやガムは人間(にんげん)がかんがえだした食べ物(たべもの)なんだ。香料(こうりょう)をうまくつかった食べ物をかんがえだしたんだな。
04.いやなニオイを隠すため
ママやお姉(ねえ)ちゃんの口紅(くちべに)においしそうなニオイがしてないかい。口紅は色素(しきそ)とロウなんかでできているんだ。むかし、ロウはいやなニオイがしていたんだ。そのニオイをかくすために香料(こうりょう)をつかったりしたんだ。また、香料をつかうともっとみりょくてきなしょうひんになることもあるんだ。
02.香料(こうりょう)のひつようなお客(きゃく)さんからつくってください
といういらいがでる。
香料がひつようなことはわかったね。じゃあ、香料がいしゃにとって「香料のひつようなお客さん」ってだれだろう?
食べ物(たべもの)のばあい
- ガムやチョコレートをつくっているかいしゃ
- ジュースやコーヒーをつくっているかいしゃ
- アイスクリームなどをつくっているかいしゃ
- インスタントラーメンを>つくっているかいしゃ
口(くち)にはいらない生活(せいかつ)のまわりにあるもののばあい
- 化粧品(けしょうひん)をつくっているかいしゃ
- 石鹸(せっけん)・洗剤(せんざい)をつくっているかいしゃ
- 芳香剤(ほうこうざい)やお線香(せんこう)をつくっているかいしゃ
そのほか
- タバコ ・都市(とし)ガス、プロパンガス
お客(きゃく)さんは、良い香料(こうりょう)がほしいからいくつかの香料がいしゃにいらいをすることもあるんだ。
お客さんは、「こんどこんな商品(しょうひん)をつくったのでこれにあうこんなふうなかんじの香料をください」といういらいをすることがおおいんだ。香料会社はお客さんのいったことばをニオイにつくりあげていくんだね。
03.いらい内容(ないよう)をチョウコウシ(調香師)につたえる。
お客(きゃく)さんのきぼう・ちゅうもんをきいてきたひと(えいぎょう)が、こんどはかいしゃにかえってニオイをかんがえ・つくるひとにお客さんの話(はなし)をただしくつたえるんだ。
ここで、たいへんむずかしい話がでてきます。ニオイを言葉(ことば)でただしくつたえることがどんなにむずかしいことかわかるかい。人それぞれ、あるニオイをかいだときのかんじかた(おもいえがくイメージ)はおなじとはいえないんだ。
たとえば、「イチゴ」といったときにどんなニオイがおもいうかぶかな?
- じゅくしていないわかいイチゴの青(あお)くさいニオイ
- イチゴジャムみたいなきょうれつなベタベタした甘(あま)いにおい
- ツンツンしたあますっぱいイチゴのニオイ
いろいろかんじたものがあるよね。そのお客さんが本当(ほんとう)にほしいというイチゴのニオイを、お客さんが伝えられなければいけないし、お客さんの話をきいたえいぎょうさんが正しくニオイを作る人に伝えられなければいけないんだ。
ニオイをかんがえ・つくる人のことを、食べ物の香料(こうりょう)をつくる人をフレーバーリストといい、けしょうひんのような香料をつくる人をパーヒューマーというんだ。
まとめると、したの表(ひょう)のようになります。
フレーバーリスト | たべものの香料をつくる人 |
---|---|
パーヒューマー | けしょうひんのような香料をつくる人 |
04.チョウコウシが香料(こうりょう)のショホウをかんがえ香料をつくってみる。
食べ物(たべもの)の香料(こうりょう)のばあい、つくるものがしぜんにあるものをまねしてつくることになるよね。しぜんにある食べ物のニオイは、どんなものが入っているかほとんどわかっているからつくるのはそんなにむずかしくないんだ。ただ、商売(しょうばい)だから安(やす)くつくらなければならないし、きょうそう相手(あいて)もいるのでお客さんやさいしゅう製品(せいひん)をかう人にすかれるニオイをつくることが大事(だいじ)なんだ。
けしょうひんの香料のばあい、つくるニオイはきまっていない。しこう性(せい)といって、この商品(しょうひん)がどうしてもほしい、もう一度(いちど)かいたいとおもわせるような特長(とくちょう)のあるニオイをつくることが大事なんだ。
香料は、いろいろなものをまぜてできあがっているんだ。まぜたものを何度(なんど)でもつくれるようにするためにショホウ(処方)というものを調香師(ちょうこうし)は書(か)くんだ。まぜたものの名前(なまえ)と入れた数(すう)りょうを書くんだ。
食べ物の香料のばあい、まぜるものは法律(ほうりつ)できめられているんだ。食品(しょくひん)えいせい法(ほう)というんだ。えらい先生(せんせい)がたが、この香料はつかってもだいじょうぶかどうかいろいろかんがえてくれるんだ。そして、つかってもよいとみんながかんがえたら、つかってもいいよということをこくみんにしらせてつかえるようになるんだ。だから、安心(あんしん)して香料をつかえるね。
けしょうひんの香料のばあい、安全(あんぜん)な香料をつかうようなしくみができているんだ。リフムというところがつかってもだいじょうぶかどうかいろいろシケンをするんだ。それがわかるとイフラというところにこれはつかってはだめ、これはここまではつかってもだいじょうぶということをつたえる。イフラは世界(せかい)にそのことをつたえるんだ。調香師(ちょうこうし)はそのことをよくわかっているから安全な香料をつくっているんだ。
05.つくった香料(こうりょう)をためしにフコウしてみる。
さいしょにつくったニオイがとてもよいニオイがしてもだめなんだ。香料(こうりょう)は、スーパーやコンビニでうっている「飲み物(のみもの)」や「ガム」や、「口紅(くちべに)」や「シャンプー」といった製品(せいひん)に使用(しよう)されてはじめて香料といえるんだ。だから、できた香料を香料がまだつかわれていない製品の生地(きじ)[香料がまだつかわれていないときのもの]につけてみる。これを、フコウ(付香)というんだ。
付香(ふこう)してみて、ニオイがつよいか、立(た)っている(ニオイがきもちよくかんじられ、へんなニオイがしないでいること)かみるんだ。つよいものがえらばれることが多いよ。
生地(きじ)にどくとくのニオイがあるばあいは、香料が上手(じょうず)にそのニオイをかくしているかみることもあるよ。
06.できたフコウヒンをニオイをかいだり食(た)べたり飲(の)んだりつかってみたりヒョウカする。
良いと思った香料(こうりょう)をあつめて、それぞれフコウしてフコウヒンをつくる。それをいっせいにならべてどれが一番(いちばん)よいかつよいかヒョウカ(評価)する。
ビンに入れられる製品(せいひん)なら、ビンコウ試験(しけん)といってビンに鼻(はな)をちかづけてかいでみるんだ。つよさやよさを判断(はんだん)する。
食べたり、飲んだりできるものは、じっさいに口(くち)にふくんでみて、口のなかにひろがるニオイをすってみてよさ、つよさをみるんだ。食べ物をみたときから、鼻をつまんで、飲んだり食べたりしてごらん。きっと、おいしそうにかんじないとおもうな。
07.つくった香料(こうりょう)のいろいろなしけんをおこなう。
香料(こうりょう)は、いろいろなものをまぜるのでそのなかでいろいろ変化(へんか)することがあるんだ。また、製品(せいひん)の生地(きじ)のなかに香料がはいると、製品となったときに、製品そのものがかわってしまうことがあるんだ。
いちばん問題(もんだい)になるのは、ニオイがかわってしまうこと。にばんめは色(いろ)がついてしまうこと。
ねつやひかりにけっこうよわいんだ。酸(さん)やアルカリにもよわいものがあるよ。
よわくない香料をつくろうと、調香師(ちょこうし)はがんばるけど、そうすると良(よ)かったニオイからすこしずつはなれていくことがおおいんだな。ここで、がんばってちょうせんしていくといい香料ができてくるんだ。
こうやって、しけんをいろいろくりかえし、でてきたもんだいをかいけつして、香料ができあがっていくんです
08.お客(きゃく)さんが満足(まんぞく)できるようなものができるまで4~7をくりかえす。
09.いらい内容(ないよう)にあった良(よ)い香料(こうりょう)ができたらていしゅつする。
お客(きゃく)さんは、製品(せいひん)をだすときがきまっていることがおおいから、いまかいまかとまっているはずだよ。きげんに香料をお客さんにだす(ていしゅつ)よ。
お客さんがおおくの香料がいしゃに香料をつくってくださいといういらいをだすことがあると、一つのかいしゃでだせる香料は一つとか二つということもあるんだ。
10.お客(きゃく)さんのヒョウカをきく。
お客さんは、こういう香料(こうりょう)をつくってくださいといういらいをだしたわけだから、できてきた香料がお客さんがのぞんでいるものとあっているかどうかお客さんの意見(いけん)・評価(ひょうか)をきくわけだ。ここでニオイにかんする言葉(ことば)がおたがいにせいかくにつたわっているかどうかためされるわけだよね。
お客さんは、良(よ)いものがあればここをもうすこしこうしてくださいといってくれるかもしれない。良いものがないともういらいがつづかないときもあるよ。
11.3~10をくりかえす。
12.お客(きゃく)さんがヒョウカ、シケンをしてさいようがきまる。
お客さんのほうではいちばん良(よ)い香料(こうりょう)がほしいわけだからいろいろ香料をヒョウカしたりシケンしたりしていちばんふさわしいものをきめるわけだ。
お客さんが香料をきめると、香料がいしゃに香料がさいようされましたとしらせられる。
13.原料(げんりょう)のチェックをしてショホウを工場(こうじょう)につたえる。
調香師(ちょうこうし)がつくる香料(こうりょう)はいつもわずかなりょうで、お客さんのところでさいようがきまったときにつかう香料のりょうはたくさんになるわけだから、工場でつくるときの原料がたりるかどうかきにしなければいけないよね。
調香師がつくったショホウ(処方)は、工場で生産(せいさん)できるように工場につたえます。
14.工場(こうじょう)でショホウにしたがってさくせいする。
工場では、毎日(まいにち)いろいろな香料(こうりょう)を製造(せいぞう)しています。
あたらしくきまった香料は、つくりかたがかわっていると、調香師(ちょこうし)がきて香料のつくりかたを工場の人(ひと)におしえることがあります。これを、タチアイ(立ち合い)といいます。
また、いきなりたくさんのりょうをつくることは問題(もんだい)があるので、すこしのりょうをはじめだけつくることがあります。
15.できあがったもののひんしつのチェックをおこないしゅっかする。
香料(こうりょう)をお客(きゃく)さんにとどけるためには、できあがった香料がただしくできているかどうかしらべるひつようがあります。このため、お客さんとは香料のさいようがきまったときに、この香料はこういうものですというシケン・ケンサのなかみをきめています。
そのシケン・ケンサのなかみに、工場(こうじょう)でつくった香料がただしくつくられているかどうか、工場ではお客さんにだすまえにしらべます。このことをひんしつのチェックといいます。
ひんしつのチェックがただしくあてはまっていたら、お客さんに香料をだします。このことをしゅっか(出荷)といいます。
EXPERIMENT実けんコーナー
01.香りの効果・重要性を確かめよう
砂糖を加えただけの甘い水がフレーバー(食品香料)を加えるだけで一瞬のうちに種々の果物のジュースになります。また、鼻をつまんで飲むとどんなフルーツジュースもただの砂糖水になってしまいます。
用意するもの
- ①市販のフルーツエッセンス(レモン、オレンジ、ストロベリーなど)
- ②白糖(グラニュー糖)
- ③クエン酸(食品添加物)
- ④飲料水
方法
- ①飲料水1000cc(市販のミネラルウォーターがよい)に対し白糖60g、クエン酸1gを加え攪拌して溶解したシロップを準備します。
- ②シロップを100ccずつ小分けし、用意したフルーツエッセンスをスポイトで数滴加えてよく攪拌する。レモンジュース、オレンジジュース、ストロベリージュースなどの出来あがりです。
- ③出来上がった各種フルーツジュースを飲み比べます。この時フレーバーを加えないシロップだけのものも味わうと、なお一層フレーバーの効果がわかります。
- ④フレーバーの効果を確認した後、今度は鼻をつまんで出来上がったジュースを味わってみましょう。たぶん、何のジュースか分からないはずです。
- ⑤食品にとって「香り」の果たす役割と重要性について考えてみましょう。
02.香りで甘さの感じ方が変わる
香りには甘さも無ければカロリーも無いはずですが、フレーバーをうまく使用することにより甘味をより強く感じさせることが出来ます。
用意するもの
- ①市販のメープルエッセンス、バニラエッセンス
- ②2%の砂糖水溶液1000cc
方法
- ①2%の砂糖水100ccのビーカーを3点用意します。
- ②2%の砂糖水にメープルエッセンスを数てき加えたもの、バニラエッセンスを数てき加えたもの、何も加えないものを準備します。
- ③甘さを強く感じる順番に並べます。
- ④フレーバーの効果について話し合いましょう。
CHALLENGEちょうせんを受けてみるかい
動物(どうぶつ)には鼻(はな)がついているよね。
なんのために鼻(はな)があると思(おも)う。
においをかぐためだよね。
なにかが鼻(はな)のまくにくっついて、くさいとか、いいにおいとか感(かん)じるよね。
それがにおいなんだ。
においは軽(かる)いから飛(と)んでくるんだ。
でも、目(め)には見(み)えないんだ。
人間(にんげん)は昔(むかし)から香(かお)りの不思議(ふしぎ)な力(ちから)を感(かん)じて、それを集(あつ)めようと考(かんが)えたんだな。
花(はな)や葉(は)っぱや木(き)から香(かお)りを集(あつ)めて香料(こうりょう)を作(つく)ったんだ。
いろんな香料(こうりょう)を混(ま)ぜるともっといい匂(にお)いになることに気(き)がついたんだ。
「香料(こうりょう)ってなに?」の答(こた)えの中(なか)で、「花(はな)や葉(は)っぱや木(き)から香(かお)りを集(あつ)めて香料(こうりょう)を作(つく)った」といいました。
香(かお)りを集(あつ)める方法(ほうほう)を考(かんが)えだしたんですね。
そのうちにいろいろ混(ま)ぜてみると、もっと面白(おもしろ)い香(かお)りになることを発見(はっけん)します。
こうして、いろいろな香料(こうりょう)を使(つか)うようになってきます。
さて、人間(にんげん)が見(み)つけ出(だ)した香料(こうりょう)にはいろいろなものがあります。
いくつか、例(れい)をあげます。
- ①バラやラベンダーのように花(はな)から取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ②バジルなどのハーブのように葉(は)っぱから取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ③種(たね)から取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ④オレンジなどの果物(くだもの)から取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ⑤木(き)の幹(みき)から取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ⑥草(くさ)の根(ね)っ子(こ)から取(と)り出(だ)した香料(こうりょう)
- ⑤動物(どうぶつ)の体(からだ)の一部(いちぶ)から取(と)れる香料(こうりょう
ところで、バラの香料(こうりょう)1kgを取(と)るのにどれだけのバラの花(はな)びらが必要(ひつよう)でしょうか?
あるバラでは4トンのバラの花(はな)が必要(ひつよう)とも言(い)われているそうです。
大昔(おおむかし)の人(ひと)がいろいろな記録(きろく)を残(のこ)しています。その中(なか)からしらべることになります。 紀元前(きげんぜん)3000年頃(ねんごろ)のメソポタミア(げんざいのイラクあたり)で使(つか)われていたという説(せつ)があります。
この辺(へん)のことはよくわかっていません。
もう少(すこ)し知(し)りたい方(かた)は、「香料(こうりょう)の初歩地識(ちしき)の『第1章香(だいいっしょうかおり)の文化史(ぶんかし)』を読(よ)んでください。
ここでは、香料(こうりょう)が商売(しょうばい)として成(な)り立(た)つうえで重要(じゅうよう)な発明(はつめい)についてお話(はな)しましょう。
ひとつは、「水蒸気(すいじょうき)じょうりゅう」という技術(ぎじゅつ)です。
アラビア人(じん)のイブン・シーナ(980~1027)が発明(はつめい)した技術(ぎじゅつ)といわれています。
これは、香(かお)りのあるもの、例(たと)えば花(はな)を摘(つ)み取(と)ってきていれものに入(い)れ、その中(なか)に水蒸気(すいじょうき)を吹(ふ)き込(こ)んで、水蒸気(すいじょうき)と一緒(いっしょ)に香(かお)り成分(せいぶん)を取(と)り出(だ)す方法(ほうほう)です。
水蒸気(すいじょうき)はにがさないために冷(ひや)やして水(みず)に変(か)えためます。たまった水(みず)には香料(こうりょう)が浮(う)いてきます。
もうひとつは、エチルアルコールの発見(はっけん)です。
13世紀(せいき)までにエチルアルコールを取(と)り出(だ)す技術(ぎじゅつ)が開発(かいはつ)されたとされています。
エチルアルコールを使(つか)って、「ちゅう出(しゅつ)」という技術(ぎじゅつ)ができるようになってきます。
これは、エチルアルコールに香(かお)り成分(せいぶん)が溶(と)け出(だ)させるものです。
水蒸気(すいじょうき)じょうりゅうでは100℃以上(いじょう)の熱(ねつ)がかかるため、香(かお)りが変(か)わってしまうものがあります。 ちゅうしゅつは熱(ねつ)をかけないため、さまざまな香(かお)りを取(と)り出(だ)すことができます。
日本香料工業会(にほんこうりょうこうぎょうかい)では、毎年(まいとし)香料(こうりょう)のとう計(けい)を発表(はっぴょう)しています。
ここでは、平成(へいせい)20年のとう計(けい)を見(み)てみます。じっさいに売(う)られた数量(すうりょう)を出(だ)してみます。
「食品香料(しょくひんこうりょう)」では、63,000トン以上、「香粧品香料(こうしょうひんこうりょう)」では、6,600トン以上でした。
数字(すうじ)のイメージをつかむためにかん算(さん)してみましょう
- ・重(おも)さを体積(たいせき)に変(か)えて(かん算といいます)、その量(りょう)の大(おお)きさを何(なに)かにたとえてみましょう。
- ・香料(こうりょう)は水(みず)より軽(かる)い液体(えきたい)です。ここでは香料(こうりょう)の比重(ひじゅう)を0.9とします。そうしますと、とう計(けい)の数字(すうじ)は重(おも)さですので、体積(たいせき)に変(か)えます。
「食品香料(しょくひんこうりょう)」 :63,000÷0.9=およそ70,000㎥
「香粧品香料(こうしょうひんこうりょう)」 :6,600÷0.9=およそ7,300㎥
〈比較(ひかく)〉 かん算(さん)するもの。
- ①東京(とうきょう)ドーム。その体積(たいせき):およそ124万(まん)㎥
- ②奈良(なら)の大仏(だいぶつ)。その体積(たいせき):およそ230㎥
つまり、食品香料(しょくひんこうりょう)では1年間(ねんかん)に、東京(とうきょう)ドームの約(やく)0.05個分(こぶん)、奈良(なら)の大仏(だいぶつ)さんのだいたい304体分(たいぶん)の量(りょう)が使(つか)われていることになります。
香粧品香料(こうしょうひんこうりょう)では、奈良(なら)の大仏(だいぶつ)さんの32体分(たいぶん)ほどの量(りょう)が1年間(ねんかん)に使用(しよう)されていることになります。
「花(はな)や葉(は)っぱや木(き)から香(かお)りを集(あつ)めた香料(こうりょう)」は、天然香料(てんねんこうりょう)といわれています。
一方(いっぽう)、合成香料(ごうせいこうりょう)といわれているものがあります。
人(ひと)は、天然香料(てんねんこうりょう)が何(なに)からできているのか調(しら)べて(ぶんせきという)いくことになります。
そして、それはいろいろな物質(ぶっしつ)からできているのがわかってきます。
わかってくると今度(こんど)は、人間(にんげん)の力(ちから)でそのいろいろな物質(ぶっしつ)を作(つく)ってみたいと考(かんが)え出(だ)します。
そのようにして、人間(にんげん)が化学(かがく)の力(ちから)で香(かお)りのする物質(ぶっしつ)を作(つく)り出(だ)しました。
これを、合成香料(ごうせいこうりょう)といいます。
その後(ご)、人間(にんげん)は天然(てんねん)にないが香(かお)りのする物質(ぶっしつ)があることを知(し)り作(つく)り出(だ)すようにもなりました。
香料(こうりょう)の多(おお)くは液体(えきたい)です。
香料(こうりょう)は、き発性(はつせい)の高(たか)い液体(えきたい)です。き発性(はつせい)が高(たか)いというのは、そのまま置(お)いておくとしぜんに飛(と)んでいってしまい、そのスピードが速(はや)いということです。
また、香料(こうりょう)は有機化合物(ゆうきかごうぶつ)といって、「炭素(たんそ)」を骨格(こっかく)とする物質(ぶっしつ)からできています。つまり、燃(も)えやすいです。香料(こうりょう)は、き発性(はつせい)が高(たか)いので特(とく)に燃(も)えやすいものにはいります。
また、香料(こうりょう)のなかには、固体(こたい)のものもあります。
メントールという言葉(ことば)を聞(き)いたことがあるでしょう。
メントールは針状(はりじょう)の結晶(けっしょう)(固体)(こたい)です。