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SAFETYフレグランスの安全性
化粧品は直接肌などに付けることから、皮膚に対して悪影響のないことが重視され、化粧品の一原料である香料にも当然肌に対する安全性が求められます。化粧品には天然香料だけでなく合成香料も使われますが、これらの香料によって皮膚トラブルなどが起こらず、安全に使用できるための研究を行う国際的な組織「香粧品香料原料安全性研究所」(RIFM)が設立され香粧品香料それぞれの成分について、広範な項目について安全性評価をしています。世界の香料業界の組織である国際香粧品香料協会(IFRA)はこの評価結果に基づいて、香料を安全に使用するためのスタンダードを定めています。
POSITIONING「医薬品医療機器等法」における位置づけ
医薬品医療機器等法では、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」が定義されています。この中のすべてに香料が使用される可能性があります。
医薬品医療機器等法には「香料」を規定しているものはありませんが、『化粧品』においては、香料を着香剤として用いる場合の成分名は、「香料」(表示名称)と記載して差し支えないとされています。(平成13年3月6日医薬審発第163号「化粧品の全成分表示の表示方法等について」)
『医薬品』にあっては、その全量に対する配合割合が0.1%以下の場合は、成分名を「香料」、分量を「微量」と記載して差し支えなく、また、規格及び試験方法の設定は要しないとされています。(平成12年2月8日医薬審第39号「医薬品の承認申請書の記載事例について」)
「医薬部外品原料規格2006」には『香料試験法』の収載がありますが、「規格名」として『香料』の収載はありません。しかし、香料成分としても使用する香料素材が20点以上収載があります。
COSMETICS SAFETY化粧品の安全性評価に関する指針(2008年)
2001年の薬事法改正により、化粧品の安全性保証は企業の自己責任に基づいて行うことになり、化粧品の安全性評価に関する考え方を業界として共有化するために日本化粧品工業連合会が2001年に作成されたものです。2008年に改定が行なわれました。
「この指針はあくまでも我が国の標準的な安全性評価に必要な試験項目と試験方法を示したもので、絶対的な標準や最低限度を示すものではなく、実施する安全性評価の内容はあくまで各企業の判断に一任されており、本指針は参考情報として活用していただければありがたいと考えます。」と同書の役割が述べられています。
OFFER安全な香料を提供するために
日本香料工業会
香粧品香料の開発製造使用においては薬機法、化審法他の国内関連法規を遵守するのは当然でありますが、香料そのものの安全性確保については、IFRAに加盟しており、会員会社が香粧品香料を開発・製造する際には、IFRAの定めたスタンダード(=実施要綱)を守るよう義務づけています。
IFRAとRIFMについて
日本香料工業会は国際的な団体であるIFRAの会員になっており、積極的にその活動に参加し、香料の安全性の確保に努めております。
そこでこの日本香料工業会と関連の高いIFRA・RIFMについて本コーナーで説明します。
IFRA
IFRAの目的は消費者や環境に対し安全性の高い製品の供給に専心することです。
RIFMで評価された香粧品香料素材(フレグランス素材)について、世界的な規模でヒト、環境に対する安全性を自主規制(実施要綱の制定:香料の使用基準・使用制限、使用禁止など)という手段で確保する為の団体です。その会員は世界四地域全てに事業を展開する香粧品香料・製造会社の正会員会社と欧州・北米・ラテンアメリカ・アジアに属する各国の工業会会員、その国にIFRAの会員である工業会が無い場合の賛助会員で構成されています。
RIFM
RIFMは米国ニュージャージー州に本拠を置く研究所。香粧品香料素材の安全性を実際に研究・調査・評価しています。
この委員会のメンバーは企業とは利害関係のない大学、研究所などの科学者、医学者など専門家から組織され、第3者の立場で様々なデータの評価を公正に行っています。
IFRAIFRA実施要綱
IFRA実施要綱について
IFRAのホームページに、'Code of Practice' という項目があります。仮訳を試み紹介いたします(PR委員会仮訳)
『IFRA実施要綱とは、消費者にとって使用する上で安全であり環境にとっても安全である香料を提供するためのIFRAの誓約を支える総合的なドキュメントです。
その実施要項は、あらゆるタイプの用途に使用されるすべての香粧品香料素材の製造と取扱いに適用されるものであり、「IFRAスタンダード」一式が含まれています。IFRA会員であるすべての香料会社(直接もしくは各国香料工業会を通じての)は、IFRA実施要綱を遵守することが不可欠のものとなっています(訳注:会員として、7社の多国籍企業会員と各国香料工業会でIFRAは構成されています。各国香料工業会会員香料会社は、工業会を通じてIFRA実施要綱を遵守することになります。なお、IFRAの組織につきましては別項で紹介予定です。)。ほとんどの取引先企業(その中にはトイレタリー製品やハウスホールド製品のメーカーも含まれますが)では、その商品の香料が、IFRA実施要綱中に含まれるIFRAスタンダードを遵守していることを求めています。
この実施要綱の修正については、新しい科学的知見に基づき、要請に応じて毎年発行されています。これらの修正の中には、新規の使用上の制限品目の追加や既存の使用制限品目の改訂が含まれています。
このIFRA実施要綱は世界中に配付され、すべての各国香料工業会とそれらの会員会社の手に渡ることになります。また、そこには、多くの国家の法規制当局やその他多くの利害関係者も含まれます。』
IFRAスタンダードについて
IFRAスタンダードとは、独立したRIFMの専門家パネル が実施するリスク評価に基づき、IFRAがリスク管理を行う業界の自主基準です。香粧品香料素材が安全に使用されるために、世界的に受け入れられ認知されたリスク管理システムの礎を担うものです。
IFRAスタンダードでは香料素材の規制を3種類に分けて行っています。すなわち、「使用禁止」、「使用制限」、および「規格設定」です。IFRAのサイトからこの規制を見てみましょう。
- 「使用禁止」:prohibited をclick
- 「使用制限」:restricted をclick
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「使用禁止」同様、ABC順に香料素材名がリストアップされ、名前をクリックするとリーフレットが現れます。
リーフレットに書かれている内容が「使用禁止」と異なるのは、最終製品中での当該香料素材の最大使用量が明記されている点です。
従来からの、洗い流される製品/皮膚に残る製品/皮膚に触れない製品(以上は皮膚に接触する製品群、このほかに皮膚と接触しない製品分類がある)に分けての規制のほか、製品を11のカテゴリーに分類し、新しい手法(QRA:定量的リスク評価)を用いた規制も行っています。 - 「規格設定」:specification をclick
- 当該香料素材の純度が指定されたり、あるいは素材中に含まれる不純物などの量を規制する必要のあるものがあげられたりしています(過酸化物価を含む)。また、製法が指定されている場合もあります。