フレーバリスト|日本香料工業会 - Japan Flavor and Fragrance Materials Association -

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フレーバーFLAVOR

LISTフレーバリスト

パヒューマー

フレグランスの調香師はパヒューマーといいますが、フレーバーの場合はフレーバリストと呼ばれています。
どちらも香りをつくり出す仕事ですが、実は大きな違いがあります。いろいろな花や植物の香りの素材を組み合わせることで、新しいイメージの香りをつくり出していくのがパヒューマー。一方、フレーバリストは、さまざまな食品をよりおいしくするために香りの素材を分析し、組み合わせていきます。

フレーバリストに必要な能力

フレーバリストに限らず、香料を作る人には、二つの能力が必要です。ひとつは、香りを嗅ぎ分ける能力、もうひとつは、香りを組み立てる能力です。
少し脱線しますが、香りを嗅ぎ分ける能力を職業としたものにもいろいろあります。少し紹介しましょう

テイスターと呼ばれる職業

  • ソムリエ

    ソムリエ

    ワインなど

  • 茶師

    茶師

    中国茶

  • 書類選考

    利き酒師

    日本酒

  • 書類選考

    コーヒー鑑定士

  • 書類選考

    その他

    タバコ

さて、フレーバリストですが広い分野の様々な食や食べ物について知っていなければなりません。香り・味への大いなる興味がなければ務まりません。後者の香りを組み立てる能力とは何でしょうか? 三つの要素があると考えられます。

1)原料となる香料素材への理解

→扱うものの多くは化学物質なので化学的な素養が必要。
→香りを記憶し、引き出せる能力(忍耐と訓練です)

2)香りに対する感性

→ある意味、天然にある物を模倣するのですが、そこには個性が要求されます。
そういう意味では、創造の世界ですから、アイデア、イマジネーションが必要です。

3)作った香りを評価できる能力(前者の部分と重なり合う部分があります)

→職業的に香りを作る以上、顧客の要求に合わさなければなりません。
→自らの作った香りがどのポジションにいてどう修正するかを理解する力
→香りを言い表わす言葉を使い分ける力。
→相手の言い表わしているイメージを香りとして理解できる能力。

実は、香りを嗅ぎ分ける能力と香りを組み立てる能力を二つとも優秀に持ち合わせているフレーバリストは少ないのです。
前者は機器分析が発達したおかげで、職業的に香りを作る場合には大きなアドバンテージにはなりません。
後者の3)も専門に評価する集団がいる会社では不利とはいえません。したがって、熱意と努力さえあれば、少々のハンデも気になりません。
現在、フレーバリストになりたいという人は大勢います。香料会社に入ることさえ大変かもしれません。それでは、どうしたらフレーバリストになれるでしょうか。
それは、どの職業でもそうでしょうが、どうしてもこれになるんだという夢を持ち、その夢を決してあきらめないことに尽きるのではないでしょうか。